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思い知る私の現実

私は、仕事と家庭を両立できない。
仕事を始めたら仕事ばっかりしていたい。
仕事のこと以外のすべてが面倒になる。
ご飯を食べたり、家に帰ったりする手間がうっとおしくなる。
仕事に没頭しているときが一番楽しい。
仕事をするのが好きだ。

今までは、そう思っていた。

でも、違った。

仕事をするのは好きでも、下手だ。
没頭するのは、没頭しないと上手にできないからだ。

上手にできないと、失望される。
がっかりされてしまう。
それが何より怖い。

好かれたい。
ただそれだけで今まで仕事をしてきたのだと、
昨日、ちょっとしたはずみで、自覚してしまった。
正しく言えば、それをよしとしていた自分が
どんなに恥ずかしい人間なのかということに、気づいてしまった。
頭が、腐熱で覆われた。
穴があったら死んで入りたいと思った。

楽しそうっていうだけで物事に首を突っ込み、
そのくせヘタで手は遅く、
そのくせ「できないんじゃん」と思われるのがイヤで、
なんとか体面を保つためにできることといったら、
「時間をかける」ことしか思いつかなかったのだ。

経験があるというだけで、=プロだと思われる。
そんなことないんですと否定しても、謙遜だと思われる。
期待を含む目で私を見る相手の前に、私は徐々に保身を図り始める。
呆れられたくない。がっかりさせたくない。
肩透かしだと思われたくない。

できます、やりたいです、大丈夫です。
相手の喜ぶ顔に、とりあえずは好かれたと安堵する。
この好意を維持するために、失敗はできない。
なんとしても上手くやらなければならない。

不安を抱えたまま、仕事はスタートする。
自信を持てないまま始めるから、不安は日に日に募る。
それはぐずぐずとした態度につながり、進行は遅れ、
ますます仕事に没頭するハメになる。

好きだけじゃ、ダメなんだ。
才能があって、そのうえで努力し、叩かれ、失敗をバネに己を磨き、
ひとつひとつ地道に長い道を歩んでこそ、プロになれるのだ。

クリエイティブな仕事に、覚悟なく手をつけてはいけない。

そんなのは当たり前のことで、わかってた。
でも、わかり方のレベルが違った。
芯まで身を持ってわかったのは、昨日だった。

情けなくて、泣くしかない。
恥ずかしすぎて、相手の顔が見れない。

私には、クリエイティブな仕事はむかない。
愛情や興味だけで、手を出していい仕事ではない。
それは、本物のプロに対して、失礼極まりない愚行だ。

己に不可能なことは、確実に伝えなければならない。
それが恥になり、自分の立場をなくして相手を落胆させることになっても、
それも全部ひっくるめて一緒に歩いていかなければ、
本当の「仲間」にはなれないのだと、肌で感じた。

今からでも間に合うだろうか。
背伸びせずに、ちゃんと役に立てるような存在になれるだろうか。

いつから、「できません」って言えないようになったんだろう。

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